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お役所仕事にも情がほしい

 狭い島内のことゆえ、ほとんどの人が顔見知り。どこへ行っても顔パスが通用していました。委任状もあってないようなもの、どこどこの誰々の娘だからOK!てなもんです。

 ところが合併が進み、ここも郡から市へと昇格。それに伴って役場も郵便局も、何かと本人の証明が必要となりました。顔なじみの職員さんでも、『一応証明書を見せて』・・・免許証番号を控えてから物事が運ばれていきます。

 母の死後、いろんな書類の資格消滅の手続きがありました。介護保険者証・介護保険負担限度額確認証・後期高齢者医療被保険者証・年金手帳・・・それらのものを役場のカウンターに置きました。さてどれからしてもらおうか?と考えていると、職員さんがやって来ました。最近は人件費削減かどうか職員さんの人数もずっと少なくなっています。机の数だけ職員さんはいないようで空席が目立ちます。
『なにから手続きしようか?』
とその職員さん(パートのおばちゃん風の女性)はカウンターの上の証書を広げながらその中からひとつの証書を取り上げ、
『私はまず戸籍抄本取っとくから、これに名前を書いといて・・・』
と私に申請書をくれました。
(あれ? 順番が? まず先に申請書を書いてそれから本人を証明するものを提示してから手続きが始まるんじゃ・・・??)
 職員さんは戸籍抄本を取り出す作業をしながら、カウンターへやって来ました。数々の保険証を見ながら、
『これは切って、これも切って・・・大変じゃね』
と独り言を言いながら進めていきます。わたしは、母の身体障害者手帳を職員さんに差し出しました。
『これはどうしたらいいんですかね?』
 手帳を手に取り開いて母の写真を見ると、職員さんは手帳を閉じ、わたしの手を包むように手帳を返してくれました。
『これは、取っとき・・・』
 頷きながらなんとも優しい顔でそうおっしゃいました。その、手帳を返してくれるときの顔がなんとも印象的で今でも忘れられないのですが、事務的に物事を進めていくお役所のお堅いイメージとは程遠い、でもなんか場違いな、いや、間違っているような・・・。
 そんなやり取りをしているところにもう一人の男性職員さんがやって来ました。わたしの手の中の身体障害者手帳を指して、
『その手帳も無効にしましょう』
 それから後は、ほんとに事務的に次々と処理されていきました。これでいいのだと思いますが、あの女性職員の『情』も捨てがたいなあと思いました。

 後に、実家の税金の納付の変更のために役場へ行った時のことです。手続きをし、その待ち時間に座っている私のところへあの女性がやって来、そっと紙とボールペンを差し出して、
『そのバッグのパッチワークの型紙と縫い方書いて・・・』
とささやきました。私が持っていた手作りバッグが気になったようでした。簡単に型を書いて、縫い方を説明しました。
『簡単だから、縫ってみて!』
と言うと、
『わからんかったら、また教えて。また来てね』
 あれから役場に行く用事がないので行っていませんが、どうなったでしょうか? あの人、好きだなあ。


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