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生きるということ

母が思うように食事をしてくれない。おかゆは小さじに3杯ほど、おかずも4分の1ほども食べただろうか?刻んだフルーツのヨーグルトかけも、口に含んだままいつまでも喉を越さない。

 声かけをしながらスプーンを口に運ぶが、開けようとはしない。そのうち母は眠ってしまった。

 朝も、微熱があったので食事はしてないそうだ。

「どうですか? お母さん、食べてる?」
と寮母主任が聞いたので、
「昨日も今日も食べませんねえ」
と答えると、母の入れ歯が合わないからじゃないかという話になった。
「歯茎がやせてるから、入れ歯が合わないんだけど、どうしますか? 新しい入れ歯を作りますか?」
と言う。

 どうだろう? 母は入れ歯がないから食べないのだろうか? 母が何も言わないのだから本当のところはわからない。このままでいい、と言うのも殺生だし、もし歯があれば食べるかもしれないし。食べるほうに賭けてみることにした。
「新しい入れ歯を作ってやってください」
と寮母主任にお願いした。

 いつも車椅子に横になり目を閉じているおばあちゃんがいる。それでも、食事時には口を開け、完食している。今日は、わたしが母の食事介助をしている間中、そのおばあちゃんは起きなかった。

 わたしの隣に腰を下ろした看護婦さんに、今日も母が食べてくれなかったことを話した。そして先日、別の看護婦さんから、胃婁について聞かされたことも話した。そこまでしてねえ・・・とわたしが口を濁すと、
「このおばあちゃんも、」
と看護婦さんは隣の車椅子で眠っているおばあちゃんのほうを見て続けた。
「このおばあちゃんも胃婁にしとるんよ」
「えっ? でも食べとるよ」
と言う私に、
「そう、食べるときは口から、食べないときは胃に直接栄養を入れとるんよ」
と教えてくれた。
「胃婁にするなら、こういう状態、まだ口から食べとるときにするのがベストなんよ」
と言った。

 新しい入れ歯を作ること、胃婁にすること。どちらも、母の生きるということ。

 どうする? お母さん。 2005・10・13
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Author:ゆいかばあば
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